マダム・イン・(お好きな地名)
知らない人と喧嘩した。外で。
絡まれた?
良く行くお店に、いつものように駐輪場に自転車を停め、買い物をして
子供をシートにオンしていたら。
犬をつれた派手めのマダムが
「あなた…、ここに自転車とめてたら警察が来るわよ。」
と、眉をひそめて言ってきた。
「?」
「警察が来て捕まるわよ」
「あなたこの黄色いラインしってる?知らないんでしょ、目の不自由な人の…」
「???」
私は混乱した。突然なんだ、この人は。
言葉尻から物凄く馬鹿にされている事は感じた。
点字ブロックの存在も意味ももちろん知っている。歩道は広く、自転車を停めていた場所は点字ブロックからは結構離れている。
点字ブロックをまたいで停めるなんてとんでもないことだ。そのくらい知ってる。
店の前には白いポールが数本立ってる。ほかの自転車も脇に寄せるように停めてある。
店の駐輪スペースに停めているだけなのに、何を言ってるのこの人…。
あ、ははーん、さては子連れで眼鏡で弱そうで言いやすい相手に説教してるだけか
と思った。
そういう事例はよくある。
本ーーーー当ーーーーッによくある。
気弱そうに見える、子連れ、女、というだけで嫌な思いを沢山してきた。
レジでお金を出すために抱っこから下ろした我が子が、
足元でワンワン泣いているだけでニヤニヤしながら寄ってきて
「なんや!虐待か!!」と怒鳴りつけてくるオッサンもいた。
そういったネガティブな経験豊富なのも相まって、私は一瞬で物凄く腹が立ってしまった。
「わたしが言いやすい相手だから言ってません?そういうのやめてもらえる?」と反論してしまった。
マダムは激怒した。
心臓バクバクだったのであんまり覚えてないんだけど
最終的には「バカやろう!無能!」と言われた。
そしておもむろにスマホを取り出していて、写真撮られた。
「ちょっと!写真とらんといてよ!」と思わず言う。
「うるさいバカ!無能!」と、さらに罵倒された。
喧嘩やん、これ完全に。道端で。
おお恥ずかしい。何て日だ。近くの公園に避難し、急いで管轄の交番に電話。
とりあえず、あの店の私が停めていた駐輪場所は問題ないのか?を確認した。
警察「あー、そこは路上駐輪になりますねー。回収されたりしますから次回から気を付けてくださいね~」
Oh……マジか…。
私「え!!知らなかったです!!!あっあのお店出たときに、マダムと喧嘩みたいになって怒られて写真とれらたんですけど…」
警察「あー今の所そういう通報は入ってないですけど、路上駐輪はダメなんでまぁ気を付けてくださいね~」
私「アッハイ…すいません以後気を付けます…。」
100%お店の駐輪場だと思ってた。
いやいやいやいやいや!!でもお店側としてはどうなの??
なんか一応白いポールが立てて合ってめっちゃ駐輪スペースっぽいけど‥。
おまけに駐輪場こっちみたいな案内もないし!!
本当に駐輪場じゃないの?ていうかあそこ以外駐輪場っぽいとこあるの?!
ないよね?!!
あったら絶対駐輪スペースにとめてあんなところに停めませんけど私?!!!
と思って店に確認の電話をした。
お店の人「駐輪場は(私の思ってた場所と反対側の)道路沿いに小さいですがありますよ~」
Oh…
Oh…
Oh…
Oh…
マダム、ごめん
全面的に私が間違っていたよ。
路上駐輪されている場所を駐輪場だと勘違い。
本来の駐輪場は店の反対側で、
5年間完全に死角になっていた。
Oh…。
大失敗。
学んだこと
思い込みで話をしてはいけない。
私:ここは駐輪場であると思ってた。
マダム:駐輪場の場所を知っているのに面倒くさがって停めていると思ってた。
思い込みで話が進んでしまっていた。
その上、
私:ちゃんとした駐輪場だと思っており、駐輪場に自転車を停める事は正しい事。
マダム:路上駐輪は間違っているから、指摘することは正しい事。
それぞれ正しいと思っている事をしている。と、思っている。
確認をせずに。
結果として私が間違っていたのだけれども…。
わたしが「ここ駐輪場なのかな?」とちゃんと調べていれば100%回避できたし、
マダムも第一声が「ここ駐輪場じゃないわよ?」と言えば、正しく説教出来た。
わたしもその後、「このマダム、私が弱そうで小言を言いやすそうから言ってきてるな!」
と決めつけずに「へ?ここ駐輪場じゃないんですか?」って聞き返せばよかった。
ただそれだけだったのだ。
お互いが思い込みと決めつけで話を進めた結果、喧嘩になった。
大いに反省。
決めつけない事
勘違いと間違いって、生きてたらどっかで必ず発生する。
出来れば間違いたくないと願ってるけれども、間違ってしまった時は…。うーん。
二度としない、と誓うしかない。
少なくとも私はあの場所には二度と自転車を停めない。
自分だって間違う。自分以外の誰かだって間違う。
それを想像できるかどうか。きっと〇〇に違いない!ではなく
ただ間違ってるだけかも?と思って素直さを持ってその人に聞く事が出来る。
それが寛容ってことなのかな。
とにかく、分からない事は勝手に決めつけない方がいいなぁ、特に悪い方向には。
と学んだのでした。
映画「マダム・イン・ニューヨーク」にも「”ジャッジ・メンタル:決めつけ”」
っていう言葉が出てきてたのを思い出す。
ちょっとニュアンスが違うのかもしれないけど…。
なかなか日本語に訳しがたい難しいマインドだと感じました。
主演のシュリデヴィさまが息を吞むほど美しい。もうこの世におられないとは信じたくない…。
姪の結婚式のために、生まれて初めてNYに来たマダムの心の変化を丁寧に描いています。
流れるインド・ポップス?がとっても可愛いです。主婦だから仕事の事はわからないだろう、
母親なのに娘の世話しないなんて、妻なのに夫のサポートをしないの?とシャシの人間性ではなく役割に対しての周りの圧力がかかる様を見せつけられる。
自分の個性を後回しに家族に尽くして、自己肯定感がめっちゃ下がってるスタート
(観ててマジで辛い)からのNYに来て自ら動いて英語を学び、本来の輝きを取り戻していく姿は
何度見ても幸せな気持ちになります。
路上駐輪ダメ、絶対!
なので、お店の駐輪場はちゃんと確認しようと思いました。
マダム、ごめん。
おわり。